見舞い帰省 [帰省]
昼から、父も母もそれぞれサークルや婦人会などの新年会で外出。
父は飲みで、二次会も出るからってことで、
病院へは、母と夕方のバスで行くことに。
この時点では、まだのんきな私達。
しかし、病院に行こうと玄関で靴をはいていると父から電話。
父の携帯に、病院から電話があり、
おばあちゃんが「家族を呼んでくれ」と言っているとの事。
そんな事今まで言ったことないし、
病院側は、容態が悪くなったって言ってるわけじゃないんだから大丈夫なんじゃ?
ってことで、バス停に向かった。
ところが、バス来ねー!冬だからしょうがないけど。
で、またまた父から電話。
先生が話があると言って待っているから早く行って!との事。
その後、母の携帯にも電話があり、
「一人で聞くのが心配だったら、誰かと来てください」との事。
母は、娘とこれから向かうところなので・・・と。
やっとバスが来て・・・それでも30分はかかる。
病院につきエレベターを降りると、
父が飲み会からタクシーで先に駆けつけていて、「遅い!」と怒られる
病室前へ行くと、四人部屋から、おばあちゃんが出されているところだった。
廊下までベットを出し、看護士さん6、7人で、
おばあちゃんをシーツごと持ち上げベットの交換。そして、個室へ移動。
あっけにとられていると、先生に呼ばれた。
かなり悪く、本当なら昏睡状態になっててもおかしくないんだけど、
意識がしっかりしている。よけいにかわいそうだし、出来るだけの治療をしてあげたい。
薬はもうめいっぱい。呼吸マスクをしてみて様子を診ましょうとの事。
本人が不安がっているので、個室に移しますから、
できるだけそばについててあげて下さいとの事で、母と私は泊まることになった。
病室はわりと広くて、長ソファと、窓際にも寝れるスペースはある。と言っても板だけど。
控え室で二時間ほど仮眠しようとしたが、あまり眠れず、母と交代。
でも母も少しして、あんま眠れないと言って戻ってきた。
結局、ソファに母、窓際に私が寝た。
脱水症状もあるのか、とにかく体がかゆいらしく、
自分でかこうとすると点滴の管が動いて
機械がピーピー鳴る。その度にナースコール。
マスクも邪魔なのか、「取って」、「取っちゃだめ?」と言って、
しまいには自分で取ろうとする。
かわいそうだけど、仕方ないんだよ。
「取ったら治らないよ」と言って聞かせるが、
ベットを離れるとすかさずまたマスクに手をかける。この繰り返し。
でも、不思議なことに、ボケの症状があんまりなくて、
意識がはっきりしている。
マスクをしていると、声が聞き取りにくいのだが、それでもしゃべってる事は正気だ。
夜明け前、「ぎゃろこが鳴いている」と突然言い出した。
「カラスが鳴いている」ってことなんだけど、ちょっとビックリした。
いよいよ朝方逝っちゃうのかなぁ・・・と内心思ったりしていた。
昔から、おばあちゃんは、近所の人が亡くなると、
カラスがうるさく鳴いていたからとかよく言う人だったので。
ホントは近くまでお迎えが来ていたのかもしれない。
でも、おばちゃんの聞いた鳴き声は、飛んで帰っていくカラスの声だったのかもしれない。
夜明け前には、除雪の車がいっせいに動き出し、
町中に黄色のライトが動いていて、きれいだった。
病室は、最上階の11階。眺めは抜群。
どうやら山は、ちょっと越えたえたらしい。
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